労働力として注目を高めているのが主婦層である。北海道には、主婦に特化した求人サイトや情報誌も存在する。
仕事のブランクを抱えていたり、育児との両立で時間に縛りがある主婦でも働きやすい職場を提供しようと企業が動き始めている。
しかし、そこで問題となるのが賃金の低さである。
北海道の最低賃金は全国の中でも最下位の安さであり、子どもを預けて働こうとしても、勤労時間数が少なければ保育料の方が上回ってしまう場合が多い。
どうすれば働きたい主婦と、企業側が提示する条件がマッチングするのかが重要となってくる。
そこで、主婦ならではの視点を生かした働き方で、企業に新しい風を取り込むことが求められるのではないだろうか。
例えば、主婦業に長く取り組んでいると、短時間で物事を効率よく片付けるスキルが磨かれる。
家計の管理はもちろん、家族のスケジュールを細かく把握したり、限られた食材で1品でも多くのおかずを作るスキルも持っていることだろう。
子育てを経験する中で、忍耐力はもちろんのこと、親同士や教師との会話を通してコミュニケーション能力も高められる。
そういったスキルは、会社の中ではなかなか身に付かないものであることから、新しい視点を企業に与えられる可能性を秘めている。
企業側が主婦層が働くことに需要を見出だし、その労働力に価値をつけることができれば、新たな働き手の市場が拡大し、女性がもっと働きやすい社会へと繋がるはずである。